妊娠・出産および女性の生殖器に関する疾患を扱う診療科です。月経発来から妊娠、出産、更年期障害など女性のライフサイクルに添った診療を行なうほか、月経異常や子宮筋腫、卵巣腫瘍といった生殖器に関連する疾患の診療を担当します。
産婦人科は女性特有の疾患や妊娠・出産を対象とした診療を行なう科ですが、近年では産科・婦人科・女性科・女性内科・女性外科・女性診療科・レディースクリニックなどの名称を用いている総合病院なども増えています。同じ産婦人科領域の診療科ではありますが内容には多少の差異があるので確認が必要です。
産婦人科医の減少や不足が報道されていますが、これは医療訴訟の多さなどから分娩の取扱いを止める産婦人科が増えた事が原因と考えられます。しかし、産科医・婦人科医自体はむしろ増加傾向にあり、一概に医師不足とは断定はできないかもしれません。産科分野では人工授精や体外受精、胚移植といった不妊症診療やハイリスク妊娠分娩管理の診療が注目されています。
産婦人科は広い意味合いでいうと「産科」と「婦人科」の2種類に分けることができます。産科では女性の妊娠・出産・不妊治療を主に、出生前診断や分娩まで広範囲にカバーしています。婦人科では子宮体癌や子宮粘膜症などの疾患を対象にしています。
産婦人科・産科・婦人科が対象とする疾患には厳密な区分はなく、医療機関によって扱う種類には違いがあります。総合的に産婦人科が扱う疾患としては、月経不順・月経異常・更年期障害、各種感染症・性病、子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌・絨毛癌・卵管癌・悪性腫瘍、骨盤腹膜炎、膣炎などが挙げられます。